GSN(ゴール構造表記法:Goal Structuring Notation)は、議論をグラフィカルにあらわす表記法です。GSNは、議論の構成要素(目標や回答、文脈など)とそれらの間の関係を明確に記述するために使います。
GSNで記述した議論は、システムやサービス、組織の安全性やセキュリティといったクリティカルな特性の保証を助けます。
GSNの用途の一つに、セーフティケースの記述が挙げられます。セーフティケースは安全性がどう保証されるかを構造化された議論で示すもので、
その安全性の保証は、鉄道や航空機など様々な分野で義務化されています。車載組込みシステムの機能安全規格ISO26262の例でも、安全目標と機能安全要件の定義の為にGSNを活用することができます。
GSNでは目標をどうやって満たすのかを、階層的に下位の目標に分割し、それ以上分割できない目標には、根拠となる回答を示します。
その他に、目標の分割をどのような方法で行うかを示す戦略や仮定、正当化理由また、その目標が成立つ文脈などを使って議論構造を可視化します。
それらにより、主張の曖昧さや抜け漏れを掴みやすくし、第三者への説明しやすさも高めます。そのため、安全ケースに限らず、セキュリティやディペンダビリティ、その他の議論構造の可視化などにも活用することができます。